海苔は海藻で発酵食品ではない!名前が似ている「むかでのり」とは?

海苔は発酵食品ではない

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海苔はお寿司やおにぎりに欠かせない食品ですよね。でも、海苔って発酵食品なの?と思ったことはありませんか?しかし、海苔は発酵食品ではありません。

そして名前がよく似ている「むかでのり」ですが、これは発酵食品です。むかでのりは海藻の一種で、日南地方でしか採れない「トゲキリンサイ」という海草を煮固めて味噌漬けにした食品です。

今回の記事では、発酵食品のむかでのりや、一般の海苔が発酵食品でない理由を解説します。

目次

海苔が発酵食品ではない理由

海苔は発酵食品

何が発酵食品を作るのか?

発酵食品は、微生物が働きかけることで変化が起こる食べ物です。たとえば、酒やヨーグルト、キムチなどがあります。

このような食品は、微生物が糖やタンパク質を分解して酸やアルコールを作り出します。こうした化学変化によって、味が豊かになるだけでなく、保存性や栄養価も向上します。

海苔はどうやって作られている?

それでは、海苔はどうでしょうか。海苔の製造過程は微生物が関与するような発酵の段階を含みません。

具体的には、海苔は海藻を採取して乾燥させ、それをシート状に加工するだけです。微生物が活躍する場はありません。そのため、発酵食品とは言えないのです。

海苔は、以下のようにして作られます。

1. 海藻の栽培

海苔の生産は、まず特定の海域で海藻を栽培することから始まります。この海藻は「ポルフィラ」と呼ばれる種類が多く、その成長には約40〜50日程度かかります。

2. 収穫

栽培された海藻が一定の大きさに成長したら、収穫が行われます。専用の器具を用いて慎重に海藻を採取します。

3. 洗浄

収穫された海藻は、土や他の不純物を取り除くために洗浄されます。この工程は特に重要であり、不純物が残ると製品の品質に影響を与えます。

4. 細かく刻む

洗浄後、海藻は細かく刻まれます。これにより、後の工程での乾燥や成形が容易になります。

5. 成形

細かく刻まれた海藻は、成形機を用いて薄く平らなシート状に成形されます。この時点で、海苔はまだ水分を多く含んでいる状態です。

6. 乾燥

成形された海藻シートは乾燥機で乾燥されます。この乾燥工程が重要で、水分をしっかりと取り除くことで保存性が高まります。

7. 焼き上げ

乾燥した海藻シートは、高温の炉で焼き上げられます。これにより、海苔特有の風味と食感が生まれるのです。

8. 切り分けとパッケージング

最後に、焼き上がった海苔は適当な大きさに切り分けられ、パッケージングされます。多くの場合、乾燥剤が同封されて長期保存が可能となります。

なぜ海苔は発酵しないのか

さらに、海苔がなぜ発酵しないのかについても考えてみましょう。

発酵は、糖やタンパク質が豊富な食材でよく起こりますが、海苔はこれらが少ないため、発酵の「材料」が足りません。

また、海苔は乾燥させることで保存がきくため、わざわざ発酵させる必要がないとも言えます。

このように、海苔は作られる過程で微生物が関与しないのと、発酵に適していない食材であることから、発酵食品ではないと言えます。

「むかでのり」と海苔に似た発酵食品

むかでのりは発酵食品

むかでのりとは?

むかでのりは世界中でも特に珍しい海藻発酵食品です。

この独特の食品は、日南海岸に自生するキリンサイという海藻から作られます。その名前は、海藻が磯でムカデのような形をしていることに由来します。

この海藻は初めて見ると濃茶色ですが、何回も(時には10回以上)天日で乾燥させることで、次第にピンク色に変わります。

その後、乾燥した海藻を水で戻して煮て寒天にします。この寒天はピンクと茶色の中間に近いユニークな色をしています。

最後のステップとして、この寒天を数日から10日程度味噌で漬け込みます。使用する味噌は作る人によって、麦味噌か米味噌など、さまざまです。

完成品は基本的に味噌風味ですが、食感はぷるぷるしたこんにゃくゼリーに似ています。このむかでのりは、ご飯のお供やお茶請け、さらには焼酎のおつまみとしても楽しまれています。

むかでのりの製造過程は「何でこんな方法になったの?」と驚くほど独特で、その結果として出来上がる食品もまた、非常にユニークなものとなっています。

むかでのりと海苔の違い

むかでのりと海苔の大きな違いはこの発酵の有無です。

海苔は海藻を乾燥させただけで、発酵はしていません。そのため、海苔の味は海藻そのものの味が強いです。

一方で、むかでのりは発酵によって独自の味が出ます。海苔がシンプルな味わいであるのに対し、むかでのりは発酵によって味に深みが出ます。

のりは発酵食品ではないものの、メリットはたくさん!

海苔は発酵食品でなくてもメリットが多い

海苔は発酵食品ではありませんが、多くのメリットがあります。

  • 栄養価の高さ
  • 使い勝手のよさ
  • 保存がきく

それぞれ詳しく解説します。

栄養価の高さ

まず、栄養価が高いことが挙げられます。海苔にはミネラルやビタミンが豊富で、特に鉄分やカルシウム、食物繊維が多いです。

これらの栄養素は、骨を丈夫にしたり、血液を健康に保つ役割もあります。また、海苔に含まれるヨウ素は、甲状腺の健康にも良い影響を与えます。

使い勝手のよさ

次に、使い勝手のよさです。海苔は手軽に食べられるため、お弁当の具やおにぎり、スープのトッピングとしても使えます。

さらに、寿司や刺身といった高級な料理にも使われることがあります。このように、日常の食事から特別な日の料理まで、海苔は幅広い用途で活躍します。

保存がきく

最後に、海苔は適切な保存方法を用いると長持ちします。乾燥状態で保管することで、カビや湿気の影響を受けにくくなります。

もし乾燥剤と一緒に保存すれば、さらに長期間美味しさを保つことができます。密封袋や密閉容器で保存すれば、味や食感も長持ちします。

この記事のまとめ

このように、海苔は発酵食品ではないものの、栄養価が高く、使い勝手が良く、長期保存もできる食品です。

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