酒粕甘酒と米麹甘酒はどっちがいい？違いとメリット・デメリットを解説

甘酒は、昔から日本で愛される飲み物です。特に冬になると、体を温めるためによく飲まれますよね。

でも、甘酒にもいろいろな種類があって、どれを選んだらいいのか迷ってしまうこと、ありませんか？

今回はその中でも「酒粕甘酒」と「米麹甘酒」の違いを中心に、どちらがいいのか、それぞれの特徴やメリット、デメリットについて詳しくお伝えします。

甘酒は「酒粕」と「米麹」の2種類ある

甘酒には、酒粕を使ったものと米麹を使ったものの2種類あります。

酒粕甘酒とは？

酒粕甘酒は、その名前の通り、酒粕（さけかす）を原料として作られます。日本酒を製造する過程で、米と米麹を発酵させた後に出る副産物がこの酒粕です。

酒粕自体も日本の伝統食として長い歴史があり、そのまま料理に使われることも多いですが、水やお湯を加えて煮ることで甘酒にもなります。

このタイプの甘酒には通常、アルコール分が少量含まれます。しかし、その量は通常の日本酒やビールと比べるとかなり少なく、一般的には1-2%程度です。そのため、アルコールが苦手な人でも比較的飲みやすいとされています。

味わいとしては、日本酒の風味が感じられるのが特徴で、大人な味わいがします。米から作られるため、うっすらとした甘みもありますが、それ以上に日本酒特有の香りと深みが楽しめます。

栄養面では、ビタミンB群、ミネラル、食物繊維、そして日本酒の製造過程で生成されるアミノ酸など、さまざまな栄養素が含まれています。

特に、美容と健康に良いとされるアミノ酸が豊富で、スキンケアやダイエットにも積極的に取り入れられることが多いです。

米麹甘酒とは？

米麹甘酒は、お米と「米麹（こめこうじ）」と呼ばれる麹菌を発酵させて作られます。

米麹は、精白米に麹菌（アスペルギルス・オリゼー）を繁殖させたもので、日本では古くから醤油や味噌、そしてもちろん日本酒や甘酒などの製造に使用されています。

米麹甘酒は、酒粕甘酒とは違い、アルコールが全く含まれていないのが大きな特徴です。これは、米麹を使って砂糖を生成する際にアルコール発酵を行わないためです。

そのため、子どもや妊娠中の方、アルコールが飲めない人でも安心して楽しむことができます。

味わいは、酒粕甘酒よりも甘く、マイルドな口当たりが特徴です。

そのため、子どもからお年寄りまで幅広い層に受け入れられています。また、砂糖やはちみつを加えることでさらに甘くすることも可能です。

栄養面では、ビタミンB群、ミネラル、食物繊維などが含まれており、特に米麹由来の酵素によってお米の栄養素がより身体に吸収しやすい形に変わっています。

そのため、健康食品としても非常に評価されています。特に、便秘解消や肌の美容、免疫力アップに効果的とされています。

酒粕甘酒と米麹甘酒の違い

味と飲んだ感触の違い

酒粕甘酒と米麹甘酒の最も明確な違いは、その味とテクスチャーにあります。酒粕甘酒は、日本酒由来の成分が豊富で、より大人の味わいがします。アルコールが少量含まれることで、スッキリとした後味が特徴です。

一方で、米麹甘酒は非常にマイルドで、甘みが前面に出る傾向があります。テクスチャーも、酒粕甘酒は比較的液状ですが、米麹甘酒はその製法からくる粘り気があり、スムージーのような感じがします。

また、酒粕甘酒は日本酒の風味がありますが、米麹甘酒はそのような風味がなく、もっとシンプルな甘さが感じられます。これは、どちらが優れているというわけではなく、個々の好みによります。

栄養成分の違い

栄養成分もまた、2種類の甘酒で大きく異なります。酒粕甘酒は、アミノ酸やビタミンB群が豊富で、特にアミノ酸は美容と健康に効果的です。これは日本酒の製造過程で生成される成分です。

一方、米麹甘酒は、酵素が非常に豊富です。この酵素によって、他の食品から摂取した栄養素の消化吸収が助けられると言われています。また、米麹甘酒は、ビタミンB群や食物繊維も多く含んでおり、特に健康志向の人々に愛されています。

価格と入手のしやすさの違い

価格と入手性に関しても、この2種類の甘酒には違いがあります。酒粕甘酒は、一般的には米麹甘酒よりも少し安いです。これは、酒粕が日本酒の製造過程で出る副産物であり、それ自体が安く手に入るからです。そのため、家庭で自分で作る場合も、酒粕甘酒の方がコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。

一方で、米麹甘酒は専門の製法と時間が必要なため、多少高めの価格設定がされています。しかし、その価格に見合うほどの栄養価と多機能性があり、多くの人々に支持されています。

入手性に関しては、酒粕甘酒は日本全国のスーパーでも見かけることが多いです。一方、米麹甘酒は健康食品店や専門店で主に販売されており、少し探さないと見つからないこともあります。

以上の違いを踏まえると、どちらの甘酒もそれぞれに魅力があり、用途や好み、価格によって選ばれます。しかし、どちらも素晴らしい発酵食品であり、日本の伝統と文化を感じながら楽しむことができる点では同じです。

酒粕甘酒のメリットとデメリット

酒粕甘酒のメリット

• コスパが良い： 酒粕は日本酒の製造過程で出る副産物であり、それ自体が安価。そのため、家庭で作る場合も費用が抑えられます。
• 栄養価：アミノ酸やビタミンB群が豊富で、美容や健康に有用です。
• 手軽さ：市販のものは多くのスーパーマーケットで容易に購入できます。

酒粕甘酒のデメリット

• アルコール分：小量ですが、アルコールが含まれるため、妊娠中や子ども、アルコールに敏感な人は避けるべきです。
• 風味：日本酒の風味が強いため、苦手な人には合わないかもしれません。

米麹甘酒のメリットとデメリット

米麹甘酒のメリット

• 栄養豊富：酵素やビタミン、ミネラルが多く、特に健康志向の人におすすめです。
• 万人受けする味：酒粕甘酒よりも甘みが強く、子どもから大人まで幅広い層に好まれます。
• ダイエットや美容： 米麹甘酒に含まれる成分が、ダイエットや美容に有利とされています。

米麹甘酒のデメリット

• 価格：酵素や栄養素が豊富な分、価格が高くなりがちです。
• 入手性：一般的なスーパーマーケットよりも、健康食品店や専門店での購入が主になります。

酒粕甘酒と米麹甘酒、それぞれには独自のメリットとデメリットがあります。これらを理解した上で、自分のライフスタイルや健康状態、好みに合わせて選ぶことが大切です。

どちらも日本の伝統的な発酵食品として、体によい発酵食品である点は共通しています。

甘酒は酒粕と米麹、どっちがいい？

健康志向の人にはどっち？

健康を重視する方にとっては、米麹甘酒がおすすめです。なぜなら、米麹甘酒は酵素やビタミン、ミネラルが豊富で、消化を助ける働きがあるからです。さらに、美肌効果や免疫力向上にも寄与するとされています。

また、アルコールが含まれていないため、妊婦さんや子どもも安心して飲むことができます。ただし、その分価格は少々高めですが、健康に投資する価値は十分にあるでしょう。

おいしさを求める人にはどっち？

おいしさを最優先に考えるなら、選ぶべきは人それぞれと言えます。酒粕甘酒は日本酒由来の風味が強く、大人の味わいがあります。一方で、米麹甘酒は甘みがしっかりと感じられ、子どもでも飲みやすい味わいです。

どちらもアレンジ次第でさまざまな料理やデザートに使えるので、おいしさを追求するならば、自分の好みに合わせて選べばいいと思います。

おいしさも健康も求めるなら、どちらも家庭で手作りする方法もあります。自分で作れば、砂糖の量や風味を調整することができ、さらにおいしく、また健康的な甘酒を楽しむことができるでしょう。

まとめ

甘酒には、酒粕甘酒と米麹甘酒という二つの主要な種類があります。酒粕甘酒はコスパが良く、手軽に楽しめる一方で、アルコールが少量含まれる点や独特の風味があります。米麹甘酒は栄養価が高く、健康志向の人に特におすすめですが、価格がやや高いというデメリットもあります。それぞれの違いには味や栄養成分、価格、入手性などが関わっています。

健康を最優先に考える方は米麹甘酒、おいしさを求める方は好みに応じて酒粕甘酒か米麹甘酒を選ぶとよいでしょう。どちらの甘酒も、日本の伝統的な発酵食品として多くのメリットがあります。自分のライフスタイルや健康状態、好みに合わせて、最適な甘酒を選んでみてください。